今日はSan Jose市内にある、San Jose Museum of Art(SJMA)に行ってきた。John Miroという画家のExhibitionをやっていたが、それよりも面白かったのが常設展の方だ。
自分でも今日初めて気づいたのだが、私はphotorealistic paintingという分野が好きらしい。今日、一番いいな、と思った絵もRichard Estesという画家の絵だった(注 この絵はSJMAには展示されていない)。
以前から、Edward Hopperの、特に「Nighthawks」が気に入っていて、PCの壁紙なんかにしていたが、どうやらEstesも芸大時代にHopperの絵を勉強したりしていたようだ。
色のバランスとそれによって生まれる全体のイメージは絶妙であり、計算しつくされているはずだが、どちらにも共通しているのは極めて機械的に、「温かみ」を排除した形で、描写にのみ徹している点だ。対象も「意味」を削いだ風景ばかりであり、逆にそれがクールに映る。ただただ、そこにある風景を切り取っただけのものだ。
なぜかこの手の作風はアメリカ人ばかりのように感じる。もともと人種も建物もつぎはぎだらけの人工国家。Surfaceだけで「深み」のないお国柄の反映か。その「瞬間」をその「切り口」で切り取れるのは恐らくアメリカ人しか出来ないのだろう。
自分も昔から写真をやっているが、昔も今もこういった無機質な風景ばかり撮っているから分かるが、不思議なことに、この手の作品は一枚単独で展示するより複数枚並べて展示した方が相乗効果を生み易く、逆に一枚一枚が引き立つ。
美術館に行って、「これは」という作品に出会うことは滅多にあることではない。いい一日だった。
untitled by Estes
Nighthawks by Hopper