日本の情報通信業界のヒエラルキーの頂点に位置するのは、NTTであることに間違いない。彼らが決めた通信の規格に則り、旧電電ファミリーを初めとしたベンダーが通信機器を開発して彼らに納め、通信事業者がNTTの回線を日本全国の家庭に繋ぎこみ、その上で日本のインターネットサービス業者がサービスを提供する、というのがざっくりした日本のIT業界の構図だ。
よって日本の通信業界(サービス提供者も含む)の国際競争力の有無は、NTTがいかに、世界的にみても先進的でかつOpenな仕組みを構築しているか、ということに限る。
NGNはそうと言えるかというと、 言えない。
NTTのNGNは明らかにオーバースペックであり、その上で彼らが走らせようとしているサービスも魅力的なものは見当たらない。ネットワークを置き換えることによって生まれるクリエイティブなサービスアプリケーションが見えない。
こんなネットワークのために、日本では業界中が、NTT様に自分たちの機器あるいはサービスを提供してもらうにはどうしたらいいだろう? と知恵を絞っているのが現状だ。確かに、金になる。でもそれをNTT以外の会社、つまり海外の大手キャリアに買ってもらうことは極めて難しいのだ。分かりやすいという理由で、携帯電話メーカーが日本のキャリアのClosedな規格のせいで国際競争力が削がれているというストーリーがよく語られるが、この世界でも全く同じことが数十年前から続いてきているのだ。
一人逆張りして日本マーケットを捨てた企業が出てきたりしないか、期待している、Googleと提携したパナソニックなんかも日本市場は無視して(どうせ流行らないだろうから)、欧米、アジア展開に注力すればいい、と思う。
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