昨日はゴルフの後、うちの会社のモバイルビジネスのコンサルタントとして来て頂いているIさんの家に遊びに行った。Iさんは50過ぎの日本人だが、グリーンカードを取得してイタリア系アメリカ人の奥さんと結婚。子供も二人いる。こちらに来ていわゆる「アメリカの家庭」にお邪魔したのは初めてだった。着いたらすぐに奥さんと一緒に犬の散歩に行って、その後、広いダイニングでワインを飲んだ。
奥さんが作るローストビーフをを手伝ったりして、焼き上がるのを待っている間、これまた広いリビングルームでコンピュータの歴史がぎっしりつまった「Triumph of the nerds」(若き日のビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズも出てくる)のビデオを見たりした。
Iさんは以前ブログにも書いた「Startup」の舞台になっているGo Corporationで働いていた唯一の日本人だ。PDFやPhotoshopを開発したAdobeの日本法人の立ち上げメンバー3人のうちの一人でもある。まさにシリコンバレーど真ん中をその歴史と共に歩んできた日本人だ。
彼に言わせれば、今のYahooとMicrosoftの話はシリコンバレー(アンチマイクロソフト連合)対マイクロソフトという構図になる。AppleがiPhoneを発表した際のMacWorldでスティーブ・ジョブズに紹介されて壇上に上がったのは、Google、Yahoo、AT&TそれぞれのCEO。このときすでにGoogleとYahooは同一グループ内に収まっていたということだ。
元Goの社長だったBill Campbellトいう人間は現在Intuit社の社長だが、Google、Appleの社外取締役でもある。そしてAT&TにはGo出身の人間がエグゼクティブレベルで何人もいる。なぜAppleがAT&Tを選んだかというと、Bill Campbellの存在があったからだ(ちなみに彼はマイクロソフトのことが大嫌いだ)。
このシリコンバレーの底流に流れる昔から脈々と続いている人間関係によって、現在のインターネット通信関連ビジネスの行く末が決まっていくのだ。アメリカ人が物事の決定において経済合理性を重視するのは間違っていないが、こうした「歴史(過去からの付き合い)」や「人間関係」というドロッとしたところの方がもっと重要なのだ。
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