昨日Amazonで買い物したら、Recommendationのところで、こんな本が出ていて気になっていた。
「The Starfish and the Spider」。要は、組織というものは、クモのように足を切ったら生えてこない(= 全部の足を切り取ったら何もできない)ようなものより、ヒトデのように、足を切手も自然に再生して新たな足が生えてくるという、水平かつ動的で再生可能な組織が今後生き残るという内容だ。曰く、「21世紀はリーダー無き組織が勝つ」。
ちょうど普段から読んでいる八木博のシリコンバレービジネスブログに日本語訳(あったとは知らなかった・・)の紹介記事が出ていたので、下記表を引用させて頂く。
ヒトデ型 |
クモ型 |
ナップスター |
MGM、SONY |
SKYPE |
AT&T |
アパッチ |
Microsoft |
アパッチ族 |
スペイン軍 |
アルカイダ |
アメリカ |
ベトコン |
アメリカ軍 |
彼が言うように、リーダーなき組織が勝つというのは、短絡的な気がする。
『ヒトデ型組織でも「コンセプトをつくり」「共有し」「それを分散させる」ことが、はじめに必要な仕組みだから。 集合知形成を、あたかも自然発生的にやることは、放っておいても進まない。 現在のヒトデ型といわれる活動で、WikipediaやOpen Sourceは、最初に言い出した人間の、コンセプトが、人々の心を動かし、参加者を増やす仕組みになっていると思う。』
というポイントも全面的に賛成。要は、どんな組織でも旗振り役が必要で、その旗自体、その振り方、エネルギー・知を振り向けるバランサーの役割が大事なんだろう。
ヒトデ×クモの対比で思いつくのは、早稲田ラグビー部だ。
早稲田ラグビー部は、清宮監督の強烈なリーダーシップのもと、大復活を遂げたのは周知の通りだが、サントリーラグビー部に就任した彼の後任になったのが、中竹監督という地味な監督だ。
彼が目指しているのはヒトデ型組織だろう。徹底的に「選手に考えさせる」ことに重きを置いている。当初は清宮監督と180度違うやり方だし、中竹監督がビジュアル的にも(笑)頼りなく見えたりして為、選手からナメられたりして大変だったそうだが、対抗戦は2連覇し、見事に今年の正月に大学日本一になった。
組織としての強さはどっちも甲乙つけがたい。ただし、清宮監督がやめる時に「今後の早稲田は大丈夫か」と思わせること自体、その組織はリーダーに依存していたと行くことの表れだ。
中竹監督が作ろうとしている自律的な組織は、リーダーがどうあろうがその強さは不変だろう。選手としてもこちらの方がHappyだと思う。選手としては、主体的であればあるほど、俺が組織を動かしている、と感じられる部分もあるだろうから。
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